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「キレイ…」
私が初めてあやを見たのは、高校受験の合格発表の掲示板の前だった。
私は、自分の番号を探すのも忘れて、あやを見ていた。
背がスラリと高くて、髪の毛は短くて黒々としていた。
周りには明るい髪の毛の子の方が多いのに。
それも手伝ってか、あやの黒髪は、より一層、あやを目立たせた。
キレイな子だな。私もあんな風になれたらなぁ…
「ゆう!どうだった?」
「えっ?!」
あっ!そうだ!受験番号、受験番号、1435、1435…
「あった!」
「良かったね!あたし、無いや…。」
一緒に受験をしたりかは、受験番号が無いと言う。
「うそ!?」
りかの1428を何度見ても無かった。
私は何て言っていいか解らず、「そっかぁ…」なんて言って俯いてしまった。
「気にしてないよーん!私立はもう受かってるし!ゆうこそ、1人になるけど大丈夫?」
「自信無い」
へらっと私は笑う。
私は、人付き合いは苦手で、特に女の子が苦手で、よく1人で居た。
りかは、そんな私に話しかけてくれた、唯一の友達だった。
「まず、気に入った子!誰でも良いし何でも良いから、勇気出して喋りかけるんだよ!」
りかは受験に落ちたのに、自分の事よりも私の心配をしてくれた。
「ありがと。」
ヘラっと笑いながら私は言う。
気に入った子かぁ…
私はすぐに、あの子を思い出した。
黒髪の短い髪をした、スラリとした女の子。
あの子にしよう!
最初、声をかける時は、心臓が飛び出るかと思った。
見ると、ロッカーの方へ行くのが見えたので、追いかけてロッカーの方へ行った。
なんて声をかけようか悩んでいると、
「7組?」
と、突然声をかけられた。
あの!女の子だ!
「うん!7組!えっと…」
「あたしあや!友達居ないんだー」
「あ!あたしも!あたしゆう!」
「ゆう、ね!教室、行こっか!」
「う、うん!」
私は嬉しくて仕方無かった。
あやと友達になりたい、と思っていたら、あやから喋りかけてくれた。
「あやー!」
後ろから、男の子の声がした。
「あや、何組だった?」
「7組!なおきは?」
「俺4組ー。友達居ないよーあやー」
「あんたはすぐ出来るでしょ!あたしもう出来たもんね!ね!ゆう!」
突然呼ばれてびっくりした。
「う、うん!」
この男の子はあやの彼氏?
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