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「あや…ちゃん?」
「あやで良いよ」
ケラケラとあやは笑った。
「あや、さっきの、彼氏?」
「なおき?あいつはただの幼なじみ」
「幼なじみなんだ!仲良いね!」
「5歳ん時からずっと一緒だからなぁ。」
「そーなんだ!」
あやは、顔の造りとは裏腹に、やけにサバサバしていて、男の子みたいだった。
ショートカットが良く似合う、キレイで、男の子みたいで、それでも女の子で、凄く話しやすかった。
あやは不思議なオーラを持ってるな、と思った。
それからというもの、私はあやにベッタリとくっ付いて、どこへ行くにもあやを連れて行きたがった。
もちろん、あやがどこかへ行く時も、あやにくっ付いて行った。
時が経つにつれ、私とあやは、ワンセット、と周りからも認識され初め、私は心から満足した。
キレイなあやを独り占め。
「あや、黒髪、キレイだね。あたしも黒髪にしてみようかなぁ?」
と言った時、あやはいきなり笑いだした。
「無い無い!私がパッキンにするより無い!ゆうはその色が一番似合ってるよ」
笑いながらあやは言う。
そっかぁ…
あやが言うなら私、ずっとこの色にしよう!
私はコロコロと髪の毛の色を変えていたが、あやがそれが良いと言ってからは、ずっと、この色を保ち続けている。
カラーも根元だけするようになったので、髪の毛の痛みも少なくなった。
「あやー帰るぞー」
なおきだ!
いつも私とあやの邪魔をする。
「ダーメ!あやは私と帰るの!」
幾度となくやって来るなおきにもすっかり慣れてきて、私はなおきに、こんなことを言えるようになっていた。
「ちぇ。またかよ。お前にあやは渡さないからな!」
「なおきにも渡さないよーだ!」
「2人共何喧嘩してんの」
私となおきのやり取りに、あやはクスクスと笑う。
「なおき、今日は諦めろ」
ポンポンとあやがなおきの肩を叩く。
へへーんだ!ざまーみろ!
「あたし、あやだぁいすき!」
ふふーん、と笑ってあやは私の頭をくしゃっと撫でた。
あやは本当に男の子みたいな事を平気でする。
私は、あやに、恋に落ちたような、不思議な感覚に陥る。
私…レズなのかな…。
あやには不思議な魅力があった。
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