story by ゆう

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なおき…邪魔だな…。 いつしか私はなおきに嫌悪感を覚え、あやを取られまいと躍起になっていた。 私の知ってるあやより、もっと沢山のあやを知っているなおきにヤキモチを妬いた。 私…変なのかな…? とにかくあやの1番は私であって欲しかった。 「なーんかないかなー良い方法!」 私は部屋で独り、呟いた。 あやとなおきは幼なじみ。 あやとなおきはワンセット。 ここにどう入っていくか…だ。 「うーん…」 悩みながら、あやの声が聞きたくなり、あやに電話をかけた。 「はーい」 「あ!あや!今何してんの?」 「今なおきとゲームしてたー」 まったなおき! 「そっか…じゃぁゲームしてて!」 「何?なんかあったの?」 「ううん、あやの声が聞きたくなっただけぇー」 「何それ。可愛いなぁゆうは」 クスクスとあやは笑った。 「じゃぁね!」 「うん!また明日!」 またなおきかぁ…。 うーん… …。 …!! そだ!あやからなおき取っちゃえば良いんだ! そうしたらあやとなおきの間に私が入れる! そっか! そうだ! 私がなおきと付き合っちゃえば良いんだ! なぁーんだ!簡単じゃない! 次の日、意気揚々とあやの家まで行き、あやと2人で学校へ行く。 「こぐよ」 と、あやはいつも私を後ろに乗せて自転車を走らせる。 そんな所もまた、私の心をくすぶらせた。 あやは本当に男の子みたいだ。 それでいてキレイで、優しくて、こんな私をいつも隣に置いてくれる。 1限目の授業が終わった休憩時間、私はあやに聞いてみた。 「あやちゃん、あのね、なおきって彼女居るのかなぁ?」 「さぁ…?居ないんじゃない?」 「私ね、なおきの事、好きなんだ。」 なーんて嘘ー。 あやが好き。 「えっ、あぁ、頑張んなよ!応援するし!」 「やった♪まじ心強い♪」 2限目の休憩時間には、あやは速攻でなおきに言いに行った。 行動力の素早さもまた、私の心をくすぶらせた。 放課後になると、なおきが告白しにきた。 「付き合ってやるよ!」 なんて生意気な言い方にカチンときたけど、「良かったー」なんて演技をした。 それからは毎日3人で帰った。 「あやも一緒じゃなきゃ嫌だー」 と言うと、あやは「仕方無いなぁ」と言って私の頭をくしゃっと撫でた。 本当に男の子なんじゃないだろうか、と思ってしまうほど、私の心はドキドキとうるさかった。
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