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俺は左ばかり向いているのに疲れて、正面に顔を向けようとした。
でも、さっきのことが気になって今度は正面をとおりこして、右側を見た。
そこにはいちゃついているカップルがいた。
若いようにも見えたが、俺がイメージする若い人たちとは少し印象が違っていた。
女の人の化粧はナチュラルで、男は眼鏡をかけていてわりと真面目そうに見えた。
簡単に言えば俺の若者に対するイメージは、女は厚化粧をしてはしゃぎまわり、男は派手な格好をしてそんな女の子達を狙うことばかり考えているような奴らだと思っていた。
このイメージには多分に俺の僻みが潜んでいる。
そして、今日はいつもよりそれを強く感じていた。
その一番の理由は、つい数時間前までいた彰浩の結婚式だった。
彰浩は高校時代よく遊んだ友達だった。
そのあとあいつは大学に行くために都会へ、俺は地元にある小さな会社に就職した。
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