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"貴方の事、好きになってしまいました"
"私が馬鹿だったんです。隊長に恋しちゃったから"
"何もいりませんから、これ以上何も望んだりしないから、最期ぐらい貴方に壊して貰いたいです"
"名…前…教えてくれ…てありがと…う…綺麗な…名前…市丸…隊、長…"
愛情とは形じゃない
その想いの強さの単位に過ぎないもの
それでも、最期まで笑った君が伸ばした手を僕は掴めなくて
もう、二度と同じ過ちは犯さないと決めた
それが…僕の中の只一つの償い
逃げているだけかもしれなくて、そんな自分に嫌気が差す時もある。
思い起こせば甦る、余りに純粋なあの笑顔。
届かないと分かっていた愛を、命を賭して示した君を助ける事は出来なかった。
強く思い入れがあった訳じゃない。
自分に其処までの善意があるなんて、微塵も思わない。
ただ、すがり付く様にそして見返りを求めない一方通行な愛情を、この手で救えるなら救ってやりたいなんて
偽善にしかならない感情が僕を蝕んで、それで君の笑顔があるならそれでいいって思っていた。
愛する事は簡単な事。
そして、踏み違えば莫大な代償を払う最大の賭け
墜とすか、墜とされるか――…只、それだけ。
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