†霹靂ノ華-壱ノ咎-

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"貴方の事、好きになってしまいました" "私が馬鹿だったんです。隊長に恋しちゃったから" "何もいりませんから、これ以上何も望んだりしないから、最期ぐらい貴方に壊して貰いたいです" "名…前…教えてくれ…てありがと…う…綺麗な…名前…市丸…隊、長…" 愛情とは形じゃない その想いの強さの単位に過ぎないもの それでも、最期まで笑った君が伸ばした手を僕は掴めなくて もう、二度と同じ過ちは犯さないと決めた それが…僕の中の只一つの償い 逃げているだけかもしれなくて、そんな自分に嫌気が差す時もある。 思い起こせば甦る、余りに純粋なあの笑顔。 届かないと分かっていた愛を、命を賭して示した君を助ける事は出来なかった。 強く思い入れがあった訳じゃない。 自分に其処までの善意があるなんて、微塵も思わない。 ただ、すがり付く様にそして見返りを求めない一方通行な愛情を、この手で救えるなら救ってやりたいなんて 偽善にしかならない感情が僕を蝕んで、それで君の笑顔があるならそれでいいって思っていた。 愛する事は簡単な事。 そして、踏み違えば莫大な代償を払う最大の賭け 墜とすか、墜とされるか――…只、それだけ。 .
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