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一人の少女が漆黒の髪をなびかせ、森を駆け抜ける。
――事の発端は30分ほど前、少女が村に帰っている途中でその異変に気付く。
(ん…?火の臭い…と‥!!)
少女はもう一つの臭いに気付くと、一目散に村に走って行くが時すでに遅く、少女が村に着いた時には親しくしていた村人や友人の変わり果てた姿だけがあった。
「ファル!ナオ!」
友人の名を呼びながら急いで側に寄るが、すでに息はなかった。
「どうして…誰が…こんなことを…」
少女は悲しみと怒りで涙を押さえられず、少女の海より深く、森よりも濃い碧の瞳から涙が溢れた。
しかしふと、視界に村を襲った軍の物と思われる矢が見え、そこには国の名が記されていた。゙fis゙と…
(フィス国…)
少女は一度うつむき、しばらくしてからゆっくりと顔をあげる。
(絶対…許さない!!!)
この日、一人の少女が復讐を誓ったのだった。
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