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7年後、アルグレス国北軍――
彼女は彼女にしては珍しく目覚ましの音に起こされる。
「もぅ朝‥か‥」
首だけ動かして窓で外が明るいことを確認すると、起き上がり、簡単に支度をし、少し天然がかった肩より少し長い髪をポニーテールに結って部屋を出る。
彼女は一直線に一つの広間に向かって行った。
そして広間の扉を開け、彼女が中に入ると、先に中にいた30人ほどが手に持っていた物を速やかに置き、彼女の前に並ぼうとするが、彼女はそれを制する。
「いいから、そのまま訓練を続けて」
ここは、アルグレス国北軍の訓練場。
彼女のこの一言で皆は並ぶのを止め、置いた物…武器を再び手に取り、訓練を再開する。
「わ!もう朝練始まってる!」
場の空気にそぐわない陽気な声が聞こえた。
「ミィ!遅かったじゃない」
ミィと呼ばれた人物は申し訳なさそうに彼女に近寄る。
「ナリごめん、遅れた」
遅れて来たのは北軍副隊長のミレイア・ファーシス。肩甲骨まである真っすぐで長い見事な金髪。瞳は薄い蒼
「まったく…」
そして、彼女…ナリ・レイサイドがアルグレス国北軍隊長である。
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