Vol.1

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「好きです!付き合って下さい!」 顔を真っ赤にして恥ずかしそうに、でもはっきりとした口調で目の前の女が言った。 ―…参ったなぁ。 学校にある体育館の裏、告白するにはありきたりな場所、そしてありきたりな告白。 「ごめん。俺好きな奴いるから…。」 ありきたりな返事。 「……そうなん…ですか。分かりました…呼び出してすみませんでした。」 俯いて少し肩を奮わせながら女はそう言うと、逃げる様にその場から走り去っていった。 その後ろ姿を見送りながら俺はため息をつく。
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