顔か体か

虚実

私は修に向かい、

｢それだけ言いたかったの。｣

と言い、
修の反対側を向き、歩こうとした。

だが…
私の足は修の反対側を歩こうとしない。
いや、歩けなかった。

後ろから修が抱き着いたから。

久しぶりに感じる修の体温で、
冷静ぶった私の顔を溶かした。

そうすると弱い私に変わるわけで、
急に鼻が痛くなって、
目からは涙が止めれなくなった。