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大学を出て、家に帰ると、そのまま自室へ向かい、鍵をかけた。
最近はいつもこうしている。
自分の時間を邪魔されたくないのだ。
それが例え家族でも。
いつからだろう、そんな風に考え始めたのは。
英介はとくに家庭に事情があるわけではない。
父親はサラリーマンであるが、営業部の部長であり、収入もそこそこある。
父親と母親が仲が悪いということもなく、離婚などはありえないだろう。
だが英介には気にくわなかった。
何が気にくわないのか具体的なものはなく、ただ一緒にいると苛々してくる。
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