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「あの…。」
「はい。」
「寒くないですか?」
「平気です。」
「でも雨…」
「平気です。」
「風邪ひいちゃいますよ?」
「大丈夫です。」
「…でも…
あ、いつからここに居るんですか?」
「ずっと前からです。」
「…じゃやっぱり寒くないですか?」
「平気です。」
彼女は目も合わせようとしない。
悲しそうな瞳で
泥で汚れた
自分の靴のつまさきを
遠い目で見つめたまま。
素っ気なく答える。
冷たい程に。
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