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オレ達は、誰から見てもチームワークの欠片さえない。でもなぜか微妙なバランスで三人はうまく今までやってこれている。
不思議なもんだ。
奴らと別れたオレは、服を新調してから二番目によく通っている紅茶の専門店にいた。
そしてふと気づけば、散らばったばかりのアーレスとエレナが一つのテーブルを囲んで平然とそこにいる。
これも、不思議だ。お前らはどういう理論でオレの居場所をかぎつけてくるんだ?
「あの教会が本陣ではなかったとすると、また一から情報収集か?」
オレは正面右側の椅子に腰をかけているエレナに言った。その反対、つまりオレから見て左側にアーレスが座っている。二人の間にはギクシャクとした空気が流れ、オレが話しかけなければいつまででも無言をつき通しそうなほどの勢いだった。
「そうなるわね」
頷くエレナに、ぴくりと眉を動かして反応したのはアーレスだ。横目で彼女を睨め付ける。
さて、始まるぞ
「てめえ、何か隠してるだろ?」
「どうして?」
エレナは微笑を浮かべて、アーレスの威嚇を噴くんだ視線を真っ向から受ける。
例に習って感に触るアーレスは憤激をたたえた表情を如実に表す。
「本当にさっきのがテロリストの本拠地なのかと聞いている」
「だとしたらどうするの?」
アーレスはその場に立ち上がり、
「騙した貴様をオレが殺す」
冗談に聞こえないことを言う。
「出来るかしら?」
そう言ってエレナは横目でアーレスの顔を見上げ、その瞳に嘲った凍てつく微笑を見せる。
この辺で止めないとやばそうだな
「おい、またオレのいきつけの店を潰す気か?」
あまり気分のよろしくないオレは、低い声で呟いた。
「喧嘩はやるなとはもう言わない、だがオレのいないところでやってくれ」
オレはエレナとアーレスを交互に見据えて、アーレスに席に座れと無言で促した。
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