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「いつもの場所で、あとは私達がやっておくわ」
淡々と台詞を並べるエレナにオレは頷いてこの場から立ち去った。
ここは、フォーラミア公国第一の都市、通称「稲妻の摩天楼」、城塞都市ブリッツェンだ。
実際公国と言うのは外見だけで、どちらかと言えば帝國主義に近い。そんな公国の第一皇子レオナルドが治めるこの街は、第二の水上都市ゼプツェンや第三の空中都市ラプツェンの中でも最大の規模と人口を誇り、それは帝都アハツェンに匹敵するとも言われている。
そのブリッツェンの南側をオレは歩いていた。区画整理のされていない縦横無人にはしる通りは全て人でごった返している。
つい先ほどまでとある教会で戦闘があったなど誰も思わないだろう。暢気なもんだ。
さて、この辺でいい加減オレの名でも明かすとするか
オレの名はグレース。
傭兵組合の中でもキャリアに所属するこれでも上級ランツの一人だ。
そしてあの二人からすればかなりまともな人間だ。
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