暴君咆哮

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 恐るべき殺傷能力をもつチーターと遭遇したスカイプレデター。彼らもまた、未知の生物との激闘を繰り広げていた。  辛くも敵の攻撃から逃れたフィリップを援護する為に、兵士たちがチーターを銃撃する。弾足と連射が自慢のサブマシンガンは、スピードの速い敵には打ってつけの武器だ。だが、チーターは時速100キロを超える俊足を遺憾なく発揮し、通路内を縦横無尽に駆け回り、スカイプレデターの集中放火を掻い潜っていく。  その間に、フィリップは噛み殺された兵士の手からサブマシンガンを奪い、反撃に出ようとする。が、敵があまりにも速すぎて照準が定まらない。  歯軋りしながら発砲するフィリップ。そこで突如、銃声を掻き消すように、悲痛な絶叫が通路中に響き渡った。それは、いちばん後ろにいた兵士から放たれたものだった。 「なんだ!?」  フィリップが後方を振り返ると、1人の兵士が喉から多量の鮮血を流しながら崩れ落ちていくのが見えた。  そのさらに後ろに立っていたのは、新たな敵。今、戦っているのとは別のチーターだった。  犠牲となった兵士は、背後から超高速で接近され、鉄の爪によって喉笛を一瞬で切り裂かれたのだ。  チーターの目は異常なほど凶暴性に満ちており、血のような紅を帯びた瞳孔で人間たちを凝視した。
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