暴君咆哮

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『諸君と同時に突入した部隊には、遺伝子を操作して陸戦用に改良したピラニアを仕向けておいた。それと水中から忍び込もうとしていたフロッグマンどもは、私が凶暴性を高めたオオメジロザメの餌食になってしまったよ』  ギックルルスは、己の研究を成し遂げるためならば、人命を平気で弄ぶ極めて危険な人種のようだ。  この男を野放しにしておいてはいけない。誇り高き兵士たちの正義感が、激しく高鳴っていた。 「ギックルルス!」  燃える怒りを込めて、その名を叫ぶフィリップ。 「我々はもとより、生きて還るつもりはない!正義の為に戦い、そして死ぬ!だが、キサマも生かしてはおかない!我々が指1本でも動く限り、キサマの脳天を叩き割る為に戦い抜く!」  DINO-ARMSの戦士として、そして正義に生きる人間としての名誉とプライドが、フィリップにそう告げさせていた。  命を失うことになっても、悪を根絶やしにする。それが、銃を持つ者の宿命だ。  だが、ギックルルスの冷めた心には、そんな言葉は無意味だった。 『見事なジョークだよ、隊長。ならば私も、諸君の心意気に応えてみせよう』  その時、スカイプレデターからして真向いの丸い壁がパカッと割れて、左右同時にスライドして開いていった。 『光栄に思うがいい。諸君は、私の最高の芸術品を拝めて死んでいけるのだからな』
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