海の叫び

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「さてと、あなたたちはコーヒーは好きかしら?」  リナは気前よく若い来客3人に尋ねた。 「じゃあ、ブラックで」 「俺、砂糖とミルクたっぷり」 「私、コーヒー嫌い」  レオン、カイト、エイヴィアが順に答える。  かつては神に仕えるシスターたちの食事の場も、今となっては、水槽だらけの水族館と化していた。その一角に辛うじて残る長テーブルだけが、唯一の来客用のスペースだった。  夜のビーチにて、変人学者たちと不運な(?)邂逅を果たしてしまったレオンたちは、リナに招かれて噂の怪獣礼拝堂にやってきていた。ナサニエルのバカ騒ぎを口外させないようにしているのか、やけに手厚く歓迎してくれている。  なお、肝心のナサニエルは、今だにフラベルと派手な遊びに興じている。シーゲルには、その見張り役を命じてある。とりあえず、変人2人をビーチに置いてけぼりにすることはできた。 「はい、どうぞ」  レオンとカイトの分のコーヒーカップを、リナは静かに2人の前のテーブルに置いた。 「ありがとうございます。ですが、クィーバー博士。この子たちの施設は、10時に消灯するんです。それまでに還らないと……」  レオンはリナに念を押した。還りが遅くなってしまえば、タリムや他の子供たちに心配をかけてしまうからだ。
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