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(空へ昇って!)
『声』が一層大きく、強く響く。
彼は空を仰いだ。彼の目に、わずかながら光が集まってくる。
少し眩しい。だが、優しい光だ。
遥か高くから、途切れることなく降り注いでくる。
(さあ、早く!)
『声』が光の世界へと彼を誘っているのだ。
光の世界。どんなところなのだろうか。
どんな景色が広がっているのか、どんな者たちが暮らしているのか。
行ってみたい。自分の知らない世界へ。
彼はほんの少しだけ戸惑ったが、やがて意を決した。
湧き上がる烈情を信じて、新たな世界への一歩を踏み出した。
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