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「ひとつめのユーフォーだよ」
そう言って、兄が描いてみせたのが最初だったように思います。
祖父の葬儀の日、家族や親族たちがあわただしく立ち回るなか、幼かった私と兄は二人きりでいたのです。
兄は小学校に入学したばかりで、私もまた幼稚園に入園して間もないころでした。
「ユーフォーの真ん中に目がついてた」
退屈した兄と私は、食べ終わった葬式弁当の、のし紙に落書きをし始めたのです。
兄が描いかてみせた『それ』は、アダムスキー型とでもいえばいいのでしょうか。
子供向けの絵本に描かれる、ありふれたUFOのシルエットの中央に、目がついているものでした。
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