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大の大人が少女をぐるりと取り囲んでいる。きっとこの嫌~な予感は当たるだろう。
「…面倒臭いコトに巻き込まれてるなぁー…てか、自分から?まぁいいや。さてと……」
あまり、他人には興味がない。というよりは、お菓子以外眼中には入らないと言う方が正しいだろう。
「行きますか」
「ぎゃおおー!」
そそくさと立ち去ろうとすると肩の上の相棒が頬っぺたを噛りながら引っ張る。
小さくとも、ドラゴンなのだ。歯が尖っているのである。これでもかってくらいに、ギザギザしているのだ。甘噛みでも正直これは痛い!
ガブガブ……。
「いひゃい!いひゃいって!!」
歩みを止めるとようやく離してくれた。
「マグ、何なのさ?助けろっておっしゃいますか?……街中で揉め事起こすと、ポリスメンが飛んでくるんだけどなー」
伺うようにマグニフィセントを見ると口から炎をちらつかせている。
「行けってか?行けってか?」
「ぎゃぉおー」
「いいよなーマグは……面倒事片付けんの俺。いつだって苦労すんのは俺ですよ~だ」
そういいながら、問題の場所に近付く。彼は少女の事は考えてなかった。
近くの店の限定モノスイーツの品切れを心配していたのだ。
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