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魔法使い風な男に一緒について来て欲しいって言えば良かった……お礼も言ってないし。
「……はぁ…まぁいいや。オジさん、魔物退治の仕事を下さい……」
ため息をつきながら言った時にオジさんの笑顔が、なんか引っ掛かったけれど、気にも留めなかった。
「じゃあ凶暴化しているベアの退治でもして貰おうか。南西の森に巣くっている筈だ」
「分かったわ」
軽く返事をして森へと向かう。ぼや~っと考えてると、何故か魔法使い風な男のコトを考えてしまうのだ。
人には誰かと組んだ方がいいと言っておきながら自分は一人で(ドラゴンを連れてはいたが…)いるし……。
厄介事に首を突っ込む野次馬かと思えば面倒くさがり屋のようだった。
考えれば考える程、謎が増えていく。
そんな雑念を振り払い森の中で息を潜め、ターゲットのベアを発見し─……?
「…って、オイ!何なのよっ!?あのボス的な大きさ!!何を食べたら成長するの…?」
10mは軽く超えている。平均的なベアのレベルじゃない。
「あのジジィ…!嵌めやがったわね…─絶対ェ後でぶっ飛ばす……!!」
しかし、一度引き受けた依頼はこなさねばならない。それに、アレに苦しむ人がいるのだ。
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