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雛恵の頭の中は熱くなっていた。
あんまり近くの病院だと自分のミスでこの女性に危害を加えてしまった事がばれてしまう。
だからなるべく遠くの病院に運ぶ事にしたのだ。
そして千葉の近くの病院に止めると、女性をおぶって救急受付に飛込んだ。
「急患です!!自殺未遂です!!。この人が飛び降り自殺をはかりました!!」
雛恵は頭から出てきた言葉を片っ端から並べて言った。
「落ち着いてください!」
看護師が雛恵をなだめた。
「とりあえず、診てみましょう」
看護師は女性をタンカに乗せて、治療室に運んだ。
15分後、待合室のベンチに座る雛恵に医師が近付いてきた。
「あの人は大丈夫ですか?」
雛恵はベンチから立ち上がり医師に聞くと
「一命は取り留めましたよ、まあそうとうショックが強かったのか、しばらくは意識が戻らないでしょうけど」
「そうですか、それならよかった」
「よくあの人を運んでくれましたね、後20分診るのが遅かったら手遅れになる所でした。」
「いえいえ、当然の事をしたまでです。では私はこれで」
雛恵はそのまま去ろうとした。
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