父の日

3/4
前へ
/393ページ
次へ
  そう言って誠司は、私の胸で泣いた。 今まで仕事の愚痴なんて一度も聞いた事がない。 誠司は…愚痴や、人の悪口を殆ど言わない。 ましてや、人に相談なんて絶対にしない。 藍『言えばスッキリするのに…!!』 って、私はいつも言うけど、 誠司『そんな事人に言ったって…なんの解決にもならない!!結局決めるのは自分なんだから…。』 って、誠司はいつも言う。 なんか…寂しいような気はするけど… 自分のケツは自分で拭く!! 誠司はそんな男だった。 始めて聞く誠司の弱音。 だけど結局私は、何も言えず、ただただ誠司を抱き締めながら、一緒に泣いた。 誠司の頑張りは仕事場の人にもきっと 伝わってるよ…。 私にも痛いくらい 伝わってるよ…。 子供達も誠司の大きい背中、ちゃんと見てくれてると思うよ。 でも…… 藍『もし…うちらとの時間の為に辞めたい…ってゆうなら、絶対に辞めないで!! 【家族の為】って言い訳にして… 仕事は辛いだろうけど、逃げて欲しくない。 だって、誠司が自分で『頑張りたい』って言って始めた仕事でしょ!? 自分の限界になるまで、ちゃんと頑張って!! 誠司が頑張るから、私だって頑張れるんだよっ? いつでも、愚痴は聞くし、いつでも私達は頑張る父ちゃんの背中、 応援してるからさっ♪』 誠司『………だなぁ。 お前らの事、言い訳にして…結局、自分が逃げたいだけだったかもな…。 藍の言う通り… 限界まで…頑張るよ。』  
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2977人が本棚に入れています
本棚に追加