81人が本棚に入れています
本棚に追加
「彩花ぁ~もう駄目かと思ったんだよ」
まっすーは袖で目を拭っている
「ここ何処!?」
彩花は、混乱しつつ問掛けた
「病院よ」
声の方を見ると
彩花のお母さんが安心した様に地面に膝をつき
ベッドにもたれかかり彩花を見下ろしていた
「病院?」
彩花は、不思議に思い
また問掛けた
何で病院に居るのだろう
「お前は、学校の玄関で不審者に後ろから頭をバットで殴られたらしいんだ」
今度は、彩花のお父さんが答えた
「ウチ、彩花が凄い血まみれで倒れていたから…」
華燐は崩れるように座り込んだ
緊張がほどけたらしい
「華燐がね、先生を呼びに行ってから慌ててウチらを呼びに来たんだよ」
茉莉は、良かったぁと微笑んでいる
「そうだったんだぁ」
彩花は、ボォーとしながら答えた
『さっきのは夢だったのかな?』
最後にまっすーが口を開いた
「ねぇ彩花、ウチらが玄関出た時、何処にいたの?」
「え?」
ビックリして聞き返す彩花
「彩花、ウチらより先に玄関に行ったよね?」
茉莉が呟く
「うっうん」
彩花は頷いた
なら、彩花を発見するのは
まっすーと茉莉のはずだ
だが違った
最初のコメントを投稿しよう!