…邂逅…

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…邂逅…

鉄臭さが霧散し、息苦しいほどの血の匂いで満たされた異常な空間。 そこにいるのもまた、異常な雰囲気で周囲を圧倒している一人の男だった。 黒いコートに身を包みながらも、骨格などから男と判断出来るが、顔は黒いフードを目深まで被っていてわからない。 そんな異常な空間になりながらも、空間は本来の豪奢さを損なっていなかった。 ただ、その装飾に劣らず映える赤は、地を飾りたてる布に付着したそれと同色であって。 そこが。 その平穏とは程遠い地が。 失敗作の末路によると知る者は、どれだけいるのだろうか。 .
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