女性として…。

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俺は、大学を無事に卒業をした。親には、東京で就職が決まったと嘘をついて、上京して来た。何処に行けば良いのか解らないまま、俺は、友美に電話をしていた。 『もしもし、友だよん。晃治どうした?何かゆっくり話出来ないまま別れを迎えちゃったから…。心配してたんだよ。』 『ご免。俺さぁ、別れを告げるとこっちに来にくくなると思って、何も言わないで本当ご免。』 友美は、怒るどころか、心配した声で鼻声で話していた。きっと、俺の為に泣いてくれているのだろう。それが、俺には、嬉しかった。 『上京したものの、確か新宿2丁目の店見て回ろうと思っていたんだけど、俺気が弱いだろう?何処の店に行けば良いのか迷って…。本当、ごめん。』 『そんなのは、良いよ。声聞いて安心した。元気そうだし。店ね…私の姉ちゃんが良く行く店紹介して貰おうか?私より頼りになるから、姉ちゃんに聞いてみるから、折り返し電話するね。どっかで時間潰してて。待ってなよ。』 やっぱり、持つべきものは、友美だと心の中で友美に感謝していた。俺は、マックに入って、コーヒーを飲みながら、電話を待っていた。
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