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白い雪の季節通りすぎ
あとに残るは春への残骸
遠く広く見えるのは海
昨日見たはずなのにもう幻のよう
思い出はいつも美しい
美しいとはつまり
無駄に人の心踊らせ
無益に虜にし
暴力的なまでに人を狂わす
春
春は美しい
その表面が安らぎに満ちれば満ちるほど
奥底にある残虐性は子供のように無邪気になる
春は人を狂わす
そこでニヤついている中年は
さて
あなたに危害をくわえないとでも?
中年はオイデオイデと手をひらめかせる。
そっちにいくも春
いかぬも春
春
ウヒヒヒヒ
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