夜明け

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僅かに陽が昇る夜明け間もない草原。 其処に五人の人影。 先頭を行くのは青年、いや、そう呼ぶには少しあどけなさが残る少年だろうか。 その後ろを四人の女性が歩いている。 女性の一人が少年に声をかける。 「師匠~、あたしマジで眠いです。もう一眠りしません?」 長い金髪に三角帽子、肩から胸半分を露出した丈の短いローブ。 身長は160程で、右手にはいかにもな杖。 職業、多分魔法使い。 「いや、でも今から行けば昼には町に着けるからね、マナ」 少年が応える。 今声をかけた少女はマナというらしい。 違う少女がそれに続く。 「マスター、ネクは全然起きてますよ。全然大丈夫ですからね」 長い紫のツインテールに、マナという少女とはうってかわって近代的な袖広の上着に丈が膝上のスカート。 職業、夢見人。 「いやいや、それ木だから。オレこっちね」 木に向かって寝ぼけるネクに声をかける少年。 「やれやれ、普段からの鍛練が足らんな。なぁ隊長。ワタシのように日頃から…」 次に口を開いたのは先の三人より頭一つ背の高い女性。 後ろだけ少し長い赤髪のショートカット。 服装は黒い帽子、黒い軍服にピッチリした黒いスカート。 そして黒いレザーブーツ。 いかにも軍人だがそうではない。 職業、自称軍人。 「また始まったわ、ベリルの軍人気取り」 そう呟いたのはマナ、ネク、少年より少し背の低い少女。 腰まである白髪のロングヘアーに、お姫様のような白いドレス、歩きにくいのか丈は膝ほど。 つり上がった目は真っ赤だ。 職業、魔王…魔王? 「プリムも朝早いのは平気そうだね」 そう少年は白いドレスの少女、プリムに声をかける。 「いえ、わたし充血気味よ、兄様」 「あ、そうなんだ…」 少年は黒のTシャツの上に白のシャツ、黒いズボン。 髪の毛は少し長めの水色。 首には赤いマフラーを巻いている。 防寒用ではなく、薄いファッショナブルなものだ。 「そろそろお金が無くなりそうなんだ。次の町で働ける所があればいいんだけど…」 「ええっ、師匠が一人であたし逹の生活費を!?なんて優しい…」 と、マナ。 「いやいや、何言ってんの。てか出費の殆んどが君等の食費なんだからね」 少年の一言に四人は目を反らす。 こいつらメシ抜きにしてやろう。 少年は何度目かになるセリフを呟いた。
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