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仕組みは単純だった。
まずはその人の記憶を全部消してしまう。その後、いい人になるように作られた人工的な記憶を被験者に体験させる。起きる頃には家にいる。矛盾が生まれぬように、根本的な記憶だけは消さない。家、家族、友達、それだけは消されないのである。
死刑囚達も死ぬよりはましと、喜んで協力してくる。
たまに遺族がそんなの許さないと言うときもあるが、記憶の中で、被害者の遺族に何らかの形で罪を償わせるような記憶を見せればいい。
単純な事だった。
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