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相変わらず空は青い。
ぼけっとしばらく眺めていると、アナウンスが聞こえてきた。
「笠乃宮~…笠乃宮~…」
憧れの一人暮らしが始まる舞台だ。
窓の外には海が広がっていた。
次々と見慣れない街並みが流れて行く。
洋風な街並みがあれば、古風な街並みが連なる通りもある。
見慣れない街…。
今日からここに住むと思えば、自然と鼓動が早くなる。
新しい街。
知らない人達。
新しい生活。
知らない世界。
期待するなと言う方がムリだ。
これから、どんな生活が待っているのだろう。
期待は膨らむ。
その時、列車が止まりドアが開いた。
暖かな風が舞い込む。
しかし、まだ肌寒さを覚える。
荷物を持ち、ドアの前に立つ。
小さな深呼吸。
「よしっ!」
意気込んで、一歩踏み出す。
いよいよ始まるのだ。あれだけ憧れた新生活。
さぁ、何が待っているのだろう。
期待と不安に胸を踊らせ、俺はもう一歩を踏み出した。
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