其の零、出会い

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「う…ぅぅ…ウソ……だろ?」 声が震えた。 怖い。 尚も首は空に浮いている。 足が震え、動けない。 「…な…ん……で……?」 ようやく口に出せた言葉。 だが、誰もその問いには答えてはくれない。 すると首は動き、元の位置に収まって、笑いだした。 「キャハハハァー。」 なんとも不気味な笑い。 桜を見る余裕もないくらい恐怖で震えていた。 「おっと、人間か。ここで見たこと誰にも言うなよ?ただの悪夢だ。明日には忘れるようにしてやるよ。さっさと帰りな。」 黒い深い帽子に黒スーツ、全身黒ずくめの男らしき人が目の前に舞い降りてきた。
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