決意は揺れず

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アキ「じゃあ、けい君のこと彼氏って   皆に言っていい?」 オレ「彼氏!?」 アキはオレが帰ってから紀子姉と喋っている間ずっと悩んでいたのだろうか。 いや、もっと以前から悩んできたのか。 オレが都合よすぎることは分かっている。 性欲に抗わず、体の関係は受け入れるが恋人となると認めない。 アキ「ウチらの関係って従兄妹を超えてるよね」 オレ「そうだな。でも、従兄妹だ。超えたらダメだよな」 さっき紀子姉にもらった勇気が言わせた。 これでいい。 無理矢理でも今なら引き返せる。 アキ「そっかあ…」 終わりはあっけなかった。 アキはそれ以上何も喋らずただ嗚咽した。 オレはアキのそばに寄って肩を抱いた。 従兄妹として。 未練がないと言えば嘘になる。 でもアキが抱えている痛みを思うとオレは甘えていてはいけない。 アキ「ウチ、振られたんだね」 急に平手で何回も殴ってくるアキ。 アキ「けい君のくせに!!」 オレ「ごめん」 アキ「ウチ振られたことないのに!!」 オレ「振ったことはあるだろ」 アキ「うん…ウチ結構ひどいことしてきたんだね…」 オレ「いや、でもイヤなら振るだろう?」 アキ「やっぱりウチのことイヤなんだ!」 オレ「違う」 アキ「嘘だよ…バカw」 涙声に僅かの希望が混じる。 オレは従兄妹って良いなと思った。 次の言葉を聞くまでは。
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