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出会い
[救いの縄]で働いてやっと1年が過ぎた。
no.1に登り積めた私は、みんなに「救世主よ」って言われているわ。
お客さんも私目当てで来てくれることがあって、光栄に思ってる。
自分で言うのはなんだけど、外見は綺麗だし、声だって女性とあまり変わらない。
自分に自信がないとこの仕事はやっていけないって気付いた。
だから本物の女性よりももっと、綺麗になりたいって思わなくちゃいけない。
私は新宿じゃちょっと名の知れた女性でもある。
高級バーには何回もスカウトされたけど、断っている。
だって、私の帰る場所はあそこしかないからね。
みんなは「なんでこんなボロバーにこだわるのよ」って言うけど、本当は寂しいの知ってるのよ?
だから私はスカウトされても、[救いの縄]は辞めないって誓ったの。
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