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新宿━ そこは私達がゆういつ働け、暮らせる聖域。 オカマの私やオナベの人。 面白ろ半分で来る者、ストレスを抱えて来る者、みんな癒しを求めこの街に来る。 「カリンちゃん~3番テーブルお願~い。」 私が働いているオカマバーは、綺麗とか、高級と言える程、上品なお店ではないわ。 でもこのお店をこよなく愛してる。 「いらっしゃいませ~。もぉ~久々じゃないのよ~。」 昔から私は女の子だと思って生きてきた。 可愛いリボンをしてもらって、可愛いお人形さんを買ってもらって。 でも、小学、中学に上がるにつれ、私に対しての虐めが激しくなった。 ━お前きめぇんだよ!! 男のくせに女の制服着てんじゃねぇよ!! こいつに近づくとオカマが移るぞ!! 私は毎晩涙したわ。 どうしてって。 何が悪いのって。 誰にも迷惑かけてないのに。 「カリンちゃんはいつ見ても可愛いねェ。一回でいいからやらせてよ?」 辛い中学生活が終わりを迎えた頃、私は一人、新宿に出掛けた。
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