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そして凛ママに聞いたわ。 「私もお姉さんみたいになれますか?」って。 凛ママは笑顔で「なれるわよ」って、優しく微笑んでくれた。 救われたわ。 私にも居場所があったんだわって。 凛ママは私を連れて、お店を紹介してくれた。 お世辞でも素敵なんて言えなかった。 だけど、お店の名前が好きになった。 [救い縄]って、あまりない名前だったけど、今の私にはピッタリだった。 <ここでママをやってるのよ。さぁどうぞ> 初めて入るオカマバーには緊張した。 ガタイのいいお兄さんが女装していたり、本当に女性なんじゃないかなって思う人も。 <あら、いらっしゃ~い> <きゃぁ~可愛い~。どうしたのママ!?> <拾っちゃったわ> 言葉をキャッチボールみたいに投げて、そのスピードは計りしれなかった。 「あら、いいの?じゃあ頂きます」 みんな心は女性そのものだった。 お化粧や衣装、言葉使いが女性そのもの。 私は心に決めた。 <あ、あの!!私をここで働かせてください!!> 一世一大の大勝負だったわね。 みんな目を丸くして私を見ていた。
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