108人が本棚に入れています
本棚に追加
そして凛ママに聞いたわ。
「私もお姉さんみたいになれますか?」って。
凛ママは笑顔で「なれるわよ」って、優しく微笑んでくれた。
救われたわ。
私にも居場所があったんだわって。
凛ママは私を連れて、お店を紹介してくれた。
お世辞でも素敵なんて言えなかった。
だけど、お店の名前が好きになった。
[救い縄]って、あまりない名前だったけど、今の私にはピッタリだった。
<ここでママをやってるのよ。さぁどうぞ>
初めて入るオカマバーには緊張した。
ガタイのいいお兄さんが女装していたり、本当に女性なんじゃないかなって思う人も。
<あら、いらっしゃ~い>
<きゃぁ~可愛い~。どうしたのママ!?>
<拾っちゃったわ>
言葉をキャッチボールみたいに投げて、そのスピードは計りしれなかった。
「あら、いいの?じゃあ頂きます」
みんな心は女性そのものだった。
お化粧や衣装、言葉使いが女性そのもの。
私は心に決めた。
<あ、あの!!私をここで働かせてください!!>
一世一大の大勝負だったわね。
みんな目を丸くして私を見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!