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今彼奴は何をしているんだろう。第三回戦でも考えているだろうか。然し彼奴は日常生活を悠々と暮らしていることには変わりない。無差別殺人をやったにも関わらず…………
そう感じた俺、薫は腹が立ち、心に蟠りができた。今は海をボーッと眺めている。
薫「あと、一週間でゲームスタート…か」
そろそろ日が落ちるのが近くなってきた。薫は遊び半分で漁師の所に行った。
薫「何しているんですか?」
いきなりなんだよって顔をしつつ、返答を開始した。
漁師「あぁ。今から魚を捕りに行くんだよ。」
薫「あ~成程。俺も行ってもいいですか?」
子供の頃から無邪気で何にでも興味を示す奴だ。漁師の仕事にも興味を示したようだ。
漁師「足手纏いにならなきゃいいぞ。」
漁師さんは、ふざけ口調で参加をOKした。
薫「やりぃ~」
そう言い、漁師達は薫を催促し、船を急発進させた。
漁師「ここら辺でいいかな?」
あっという間に2時間が経過、もう夜だ。
漁師「お前、名前何て言うんだ?」
漁師さんは仕事の下準備をしながら質問をしてきた。
薫「えっとー天王寺薫と申します。」
漁師「薫か。お前、網打ちやってみるか?」
薫「網打ちですか?漁師さんの手本見てからでいいですか?」
薫は恐縮気味で、漁師さんに振った。網打ちと言うのは、単に網を投げて魚を捕ることだ。
漁師「分かった。じゃー火を熾せ。」
薫「火を熾すんですか!?」
漁師「そうだ。つべこべ言ってないでさっさと火を熾せ。」
薫「は~い。」
着火と木を用意したが、此がまた火が熾しずらい。網打ちをやっとけば良かったと後悔をしている。委細を聞いとくのを忘れてた。
つべこべ言っている内に火が点いた。漁師さんは、火が燈ったのを確認した後、網打ちを開始した。
漁師「そろそろ来るだろ。」
夜の海に明りを射すと、魚が寄ってくる性質を持っている。夜に船で火を点けることを漁火(いさりび)という。
薫「ふむふむ。この小説、怖いのがメインのくせに勉強になるぜ。」
漁師「なんか言ったか?」
薫「いえいえ独り言です。」
薫は三回戦のことを忘れ、漁師さんの補足を手伝った。
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