そしてヒロはニャーと鳴く

１

私が事故に遭う前日の夜、母と大喧嘩をした。理由は、高校卒業後についてだった。

私は卒業をしたら、子供のころからの夢である、旅に出ようと計画を立てていた。
旅に出て、世界の様々な場所を見て、色々な人たちと触れ合いたい。話したい。そう思っていた。
夢が叶うなら、旅の途中で死んでもいい。それほどの覚悟があった。

が、母は反対した。

母の反対する気持ちは、何となく分かっていた。
父はすでに他界しており、私と母の二人暮しだった。母のすべては、きっと私なのだと思う。
そんな母に私が欠ける。

分かっている。分かっている、けど、私は母のために生きているわけじゃない。

その気持ちを伝えようとしているのに、母は、私の言葉に耳をかさなかった。

そんなこんなで、私は家を飛び出して、サチエんトコに泊りに行った。
苦手なお酒をコンビニで買い込み（高校生だけど）、無理をしてイッキに飲み干した。
そして泥酔した。

翌日、道路にてヒロの呪いを受けて、今にいたる。