13人が本棚に入れています
本棚に追加
「私のこと、…嫌いになったの?」
電話越しに聞こえる鼻声。
(ちゃうよ、ちゃうねん。
でも俺は、お前を守るどころか悲しませることしか出来ひん…
これから先も、ずっとお前を悲しませてまう)
「…せやで。お前なん、大嫌いや。」
声が震えているのが、自分でもわかる。
涙腺が緩んで、今にも涙が出てきそうやった。
でも、これが1番よかったんや。
はよ、俺を嫌いになれ。
「そっか、…。」
再び会話が途切れる。
電話を切ろうとした時、必死に涙を堪える音がして、小さな声が震えていた。
「それでも私は、忠義を愛し続けるからね。さようなら。」
『ブチッ』と音がしたと同時に、電話が切れた。
よかったんや、これで…。
気付いたら、俺は床に崩れ落ちていた。
恋人で無くても、会えなくても、俺はずっと君を愛し続けるよ。
君が言ってくれたように、俺も。
「世界で1番、愛してるよ。」
さよなら、大好きな人。
最初のコメントを投稿しよう!