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「なんだこの布切れ?」
A4サイズくらいの布切れを見ると、古い地図のようだった。
「実はな、とある骨董品市で買った忍者の本に挟まっていたんだ」
そう言って立迫は地図の一部を指差した。
そこには火影の里と書いてあった。
「火影の里…?まさか…」
「そう、これは火影忍軍の里の位置を記してある地図みたいなんだ。」
「火影の里。おれが生まれた場所…」
そこへ、洗い物を済ませた陽炎がやってきた。
「そうだ、母ちゃんならわかるだろ?火影の里の場所。この地図本物か?」
陽炎が地図を覗き込む。
「驚いた。こんな地図が実在するなんて…そうね。位置はほぼ完璧に合ってるわ」
…自分が生まれた場所を記してある地図。今は亡き火影の里。
「どうだ?行ってみないか?」
「行ってみてぇ!今はもう何にも残ってないだろうけど、どんな所か見てみたい!」
立迫はワクワクした顔を見せる烈火を見て、カバンからもう一枚布切れを取り出した。
「あれ?なんだ、もう一枚なんかあるの?」
そこには火影の里の見取り図みたいなのが書かれていた。
立迫は見取り図の端の方を指差した。
「二人共、ここを見てくれ」見るとそこには、里から少し離れた場所に洞窟みたいなものがあり、その先にちょっとした空間があるようだった。
「陽炎さん。この洞窟、ご存知ですか?」
「…いいえ。私も初めて知りました。」
戸惑いながら答えた。
「地図の通り洞窟があるかどうかわからないけど、行って見る価値があるとは思わないか?」
「うおおぉ!!ワクワクしてきたぜぇ!」
「全く…高校のときからちっとも成長してないんだから…」
陽炎が溜め息をつく。烈火はそんな事全く知らん顔で、興奮覚めやらぬようだった。
「立迫先生も一緒に行くよな?!」
「いや、行きたいのは山々なんだけど、妻が妊娠中でね。予定日が近いからそばに居てやりたくて。」
「先生お父さんになるのかよ!おめでと!生まれたら呼んでくれよな!みんな連れて行くよ!」
「おめでとうございます」
「いや、ありがとうございます。まぁそういうことだから、石島達と行って来い!なんか発見があったら教えてくれよな!」
「あったり前じゃん!いの一番に報告に行くって!」
「では僕はそろそろ帰るよ。妻の様子を見に行かないと。」
そう言って立迫先生は帰って行った。
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