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火影の里へ向かって出発した一行は、最寄り駅を降り、田舎道を歩いていた。
談笑しながらしばらく歩いていると、変わり映えのない景色を見ながら土門が言った。
「それにしても予想はしてたけど、すげぇ田舎だなここ。周りになんにもないぜ」
「忍者が里を作るくらいだからな。昔からひっそりと暮らして来たんだろう」
冷静に水鏡が答える。と、それに烈火が賛同し、
「火影の里があった場所が都会みたいになってたらイヤだろ?これだけ自然が残ってるなら火影忍軍の遺物が何か見つかるかも知れないぜ!」
烈火のワクワクは更に激しさを増しているようだ。
「なんかこうしてこの面子で歩いてると、4年前のことを思い出すよ」
懐かしそうな顔で風子が言った。
「天堂地獄…か」
空を見上げ、水鏡が呟いた。
「おれも同じ事思ってたんだよ。SODOMに乗り込んだ時もこんな感じの場所から行ったよな」
と、土門。
「その節はありがとうございました!」
柳が照れながら言う。
そんな周りの反応を見ながら、烈火が言った。
「それら全ての始まりの地に今から行くんだな…」
烈火は緊張ともワクワクとも取れる表情をしていた。
歩くこと数時間後、とある山の山頂付近までやってきた。
烈火達が足を止めたそこは、ふもとまで辺り一面を見下ろせる見晴らしのいい場所だった。
「わぁ…すごく綺麗な景色!烈火くん、ほら!見て見て!」「お~!ほんとに綺麗な景色だな!お前らも見てみろよ!」
と、他の3人にも勧める。もはやピクニック気分である。
「景色もいいし、ちょうどお昼時だし、ここでお昼ご飯にしない?」
時計を見て風子が言った。
「賛成~!おれもう腹ペコだったんだ!」
「辺りに怪しい気配もないし、ここなら安全だろう」
辺りを見渡しながら水鏡。
「よし、飯にするか!腹が減っては戦はできぬって言うしな!」
のんきな顔で答える烈火だった。
「…誰と戦うつもりなんだ」
水鏡が誰にも聞こえない声でボソッと呟く。
というわけで、しばし休息である。
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