第4章~生きていた刺客~

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しばらく休息を取り、体を休めた烈火達は、これからの事を話し合っていた。 水鏡「狼燕のアジトのそばまて来たのはいいが、どうやって侵入するつもりなんだ?」 その時、土門が割って入った。 土門「そりゃもちろん正面突破だろ! それしか…」 ゴン!! 鈍い音が響く。 風子のゲンコツが土門を捉えたのだった。 頭を押さえうずくまる土門を無視しながら、 風子「…たしかにそうだね。 相手の規模がわからない以上、下手に攻めるとやられるよ」 小金井「となると、先陣を切って陽動するチームと、混乱に乗じて侵入するチームに分けるのが得策かな?」 烈火「そうだな…それが最善の手だな」 と、その時だった。 どこからともなく声が聞こえてきた。 「…そんなことをする必要はないぞ、火影の者よ…」 !!? 烈火「誰だ!!」 「私の名は狼燕…」 水鏡「狼燕…だと!?」 土門「どこに居やがる?姿を現せ!」 辺りを見回すが、どこにも居る気配はない。 「探しても無駄だ…私はそこにはいない。魔導具の力を使って貴様らに話かけているのだからな。」 烈火「隠れてコソコソ盗み聞きとは、随分せこいことするじゃねぇか?」 「ふふ…威勢だけはいいようだな」 水鏡「わざわざこうしておれ達に話し掛けてきたんだ。ただの挨拶というわけじゃないだろう?」 「ほぅ…察しがいいな貴様。その通りだ。わしから一つ貴様らに提案があるんだが…わしと賭けをしないか?」 烈火「賭け…?」 「そうだ。わしが選んだ部下6人と貴様ら6人で、一人ずつ戦ってもらう。 そして貴様らが見事勝ち抜けたら、わしが直々に戦ってやろう」 風子「烈火、そんなやつの言うこと聞くことないよ!」 水鏡「いや待て!罠だとしたら回りくど過ぎる」 「罠などではない。これはわしから貴様らへの挑戦なんだよ。ふふふ… この賭けに乗るか?それとも正面から戦ってわしの顔を見るまでもなく死んでいくか? 自分達で決めるがよい。 この賭けに乗るならば、明日の正午、富士のふもとに来るがよい」 そう言い残し、狼燕の声は消えた。
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