感染ー1ー

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「…本当にちょっとの時間で構わないんだけど…。」 「構いませんよ。…上がって下さい。」 そう言って少女は玄関の鍵を開け、すかさず客人用のスリッパを2つ出してくれた。 「どうぞ。」 案内されるままリビングに入っていく。 「座って待ってて下さい。今お茶を…。」 そう言い残して少女はキッチンに行ってしまった。 「びっくりした…凄いしっかりした子。」 「この家、両親いないらしい。事故かなんかで2年前から姉妹で2人暮らししてだったんだと。」 「え…それじゃぁ…あの子今…。」 「ああ。一人ってこと。」 そんな。 なんで。 そんなの、酷すぎる。 「こら、泣くな。はえーよ。」 「だって…!」 そんなの、酷すぎるよ。 心の中で何度も呟いた。
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