感染ー2ー

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忘れもしない。 あの日、由香の部屋にあったパソコンが表した 『COMPLETE』 の文字。 「あれは確かに、初めて見るパソコンでした。ちょっと前にパソコンの調子が悪いから、中古のパソコンを買うかも、とは言っていたのですが…。」 思わず奈々と雅人が顔を見合わせる。 やはり、今回の事件も鍵を握るのはパソコンなの…? 「姉は…あたしにとってたった一人の家族でした…。」 「静香ちゃん…。」 少女はスカートをぎゅっと強く握り、涙を堪えているようだった。 「春からあたしも高校生になって…バイトとかすればお姉ちゃんの負担も減らせるかなって…。」 少女らしい、素直な言葉が耳を貫く。 「あたし…本当に一人になっちゃったんです…。」 まだ高校生になったばかりの少女には、重過ぎる孤独。 なぜこの子がこんな悲しい思いをしなくてはいけないの? そう思うと、呼吸するのが辛いくらい胸が痛んだ。
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