357人が本棚に入れています
本棚に追加
違う。
違う。
あの事件は終わった。
あたしが関わった、あの事件は…!
「奈々?どうかした?顔色悪いよ?」
「…え?あ、ごめん。ちょっとぼーっとしちゃって…。」
きっと、似てるだけ。
由香が死んで2年も経つ。
今更再発なんて、有り得ない。
奈々は自分にそう言い聞かせ、笑顔を作った。
由香…!
どうか、お願いします。
悪夢が再びやって来ませんように…!
そう思いながらも、奈々は携帯を取り出していた。
「ごめんね、ちょっと電話してくる。」
そう言って席を立ち、電話帳を開く。
2年振りに、あの人に電話をかける。
「もしもし、東和さん?…お久しぶりです。奈々です。」
最初のコメントを投稿しよう!