感染ー1ー

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思いもよらない言葉に、すぐに理解ができなかった。 東和の真剣な顔つきに、奈々は何も言い返せない。 「出来る限り捜査状況を伝えたりはするつもりだよ。…ただ、心配なんだ。」 心配…? 「奈々ちゃんは明らかに狙われている。変に事件に関与してまた狙われたら、今度こそ命の保証はない。」 東和のどことなく辛そうな声が鼓膜を振動させる。 「…すまない。」 そう言って、東和は頭を下げた。 命の恩人が、頭を下げてる。 東和さんが、頭を…。 涙が溢れ出した。 「…ごめんなさい。」 ただ胸が痛くて。 ただ涙が止まらなくて。 「ごめんなさい…ごめんなさい…」 東和さんは、今どんな顔してるんだろう…?困った顔してるかな… そう思うと怖くて、目を開けられなかった。
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