感染ー1ー

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「気をつけて帰ってね。」 「はい。それじゃ、また。」 東和が玄関の手前まで見送ってくれた。会釈をして警察署を出た。 「奈々。」 名前を呼ばれ、顔を上げると、 「ま…雅人さん?」 車の前に立っているのは、紛れもなく雅人だった。 雅人とは事件以来会っていなかった。 「久しぶり。元気だったか?」 「はい!っていうかなんでここに…。」 「兄ちゃんから、お電話が来たからね。」 そう言うと雅人は手で電話をかける真似をしてみせた。 「東和さんから…?なんで…。」 「奈々がもうじき来るから迎えに来いって。」 「それでわざわざ?すみません…なんか…。」 「いいってー。ほら、早く乗れよ。」 「あ、はい。」 雅人に急かされ、急いで助手席のドアを引いた。
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