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「気をつけて帰ってね。」
「はい。それじゃ、また。」
東和が玄関の手前まで見送ってくれた。会釈をして警察署を出た。
「奈々。」
名前を呼ばれ、顔を上げると、
「ま…雅人さん?」
車の前に立っているのは、紛れもなく雅人だった。
雅人とは事件以来会っていなかった。
「久しぶり。元気だったか?」
「はい!っていうかなんでここに…。」
「兄ちゃんから、お電話が来たからね。」
そう言うと雅人は手で電話をかける真似をしてみせた。
「東和さんから…?なんで…。」
「奈々がもうじき来るから迎えに来いって。」
「それでわざわざ?すみません…なんか…。」
「いいってー。ほら、早く乗れよ。」
「あ、はい。」
雅人に急かされ、急いで助手席のドアを引いた。
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