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「事件の話して来たのか?」
「…はい。」
「もう関与するなって言われたんだろ。」
…見透かされてるなぁ。
「…はい。」
思わず笑ってしまった。
久々に会ったのに、雅人は昔とちっとも変わってなかった。
思ったことをストレートに言葉にする。
「兄ちゃん、心配なんだと思うよ。」
信号待ちをしていると、雅人がぽつりと言った。
「兄ちゃんよく言ってた。奈々が背負うには、この事件は重過ぎるって。」
「重過ぎるって…?」
奈々がそう尋ねたのと同時に信号が青に変わり、再び車は走り出した。
「規模がでかすぎるんだよ。それに、予想も出来ないことばかり起こる。」
雅人の言葉が頭に響く。
「予想も出来ないこと…。」
人を操り、殺すことが出来る人間が存在すること…?
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