感染ー1ー

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「事件の話して来たのか?」 「…はい。」 「もう関与するなって言われたんだろ。」 …見透かされてるなぁ。 「…はい。」 思わず笑ってしまった。 久々に会ったのに、雅人は昔とちっとも変わってなかった。 思ったことをストレートに言葉にする。 「兄ちゃん、心配なんだと思うよ。」 信号待ちをしていると、雅人がぽつりと言った。 「兄ちゃんよく言ってた。奈々が背負うには、この事件は重過ぎるって。」 「重過ぎるって…?」 奈々がそう尋ねたのと同時に信号が青に変わり、再び車は走り出した。 「規模がでかすぎるんだよ。それに、予想も出来ないことばかり起こる。」 雅人の言葉が頭に響く。 「予想も出来ないこと…。」 人を操り、殺すことが出来る人間が存在すること…?
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