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靴磨きの少年と探偵
「やぁ、ウィル。今日もよろしく頼むよ」
トカゲ族のパルテおじさんは僕の数少ないお得意様の一人。
とても人柄が良くて、種族差別を全く気にしない朗らかな性格の人です。
「はい、毎度ありがとうございます」
靴磨きなんて商売は、゛大陸゛の首都であるこの街にはありふれた職業です。僕なんかよりももっと上手くて安い人は沢山居ます。
でもこの方は、何かと理由をつけては毎朝僕の所に来てくださいました。
「今日は朝から新しい客が来るから、早めに頼むよウィル。なに、お金は倍にして払ってあげるさ。だから少し急いでくれるかな?」
パルテおじさんのようなトカゲ族は、動物の扱いが非常に上手いことで有名な種族です。
だから大体のトカゲ族の人達は馬車を使った運送会社で働いてる人がほとんどなんです。
パルテおじさんはその中でも特別で、大手運送会社の重役という立場にいます。
客とは多分その関係だと、僕はこの時考えました。
「解りました、パルテおじさん。それでは座席に腰を下ろして、足を楽にして頂けますか?」
「うむ」
早速取り組む事に専念しましたが、ちゃんとお客様と会話をする事も忘れません。
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