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もう、男なんて信じられない。
光は私が幸せにする。
私、白石茜は、一歳一ヶ月の子供、光を連れて、家を出た。
結婚して、一年十ヶ月、姑のいびりや夫の馬鹿さ加減に嫌気をさして、早朝に家を出たのだ。
もう、男は信じられない。
幸せにするって言っていたのに…。
実家に帰って来て、母は言った。
母「あんた、光まだ歩かないのかい?一歳になるのに、歩かないなんておかしいね?」
私「検診は九月五日にあるから、それでわかるんじゃない?」
私は、この検診で思わぬ結果が待ち受けている事をまだ知るよしもなかった。
九月五日
検診の日が来た。
私は、札幌の西区に来たばかりなので、初めて光の検診を受ける。
札幌西保健センター。
初めて行くので少し迷った。順番の札をとり、光と遊んでいた所、他の子供に目が行った。
(やっぱり、一歳になると、みんな立っているわ。光はなぜ立たないの?)
私は不安になった。
光の順番がきた。
医者が言った。
女医「光君、たっちまだできないんですか?」
私「えぇ、父方のお祖母ちゃんがいつも、だっこしていて、自由に動けませんでしたから…。」
女医「少し、運動発達が遅れていますね。発達障害かもしれないですから、ここ、紹介しておきますね。」
私「発達医療センターですか?」
女医「そう、ここで訓練してもらって、光君の運動発達を促しましょう。」
…発達医療センター?どうして、光が?私は、頭が真っ白になった。
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