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約1週間が経った。
「本当に連れてきてくれるとは思わなかったよ。」
「ごめんね、マイカーもないような男で。」
「…この歳でマイカー持ってたらそっちの方がよっぽど怖いんだけど…。」
大介は、真帆を連れてディズニーシーに来ていた。
こんな風に、改めて出かけるのは初めてで2人にとって初デートだった。
真帆は朝の待ち合わせからずっとにこにこしている。
いつもの真帆からは考えられない位はしゃいで、浮かれているようだ。
そんな真帆の様子を大介はそれ以上に嬉しく見つめていた。
「あのさぁ、せっかく楽しいムードの所悪いんだけど。ちょっと気になってんだ。聞いてもいい?」
「ど~ぞぉ。なんでも聞いて。今日は聞かれた事なんでも答えるよ。」
「………クラスの嫌がらせはあれからどうなったの?お前何にも言って来ないけど…。」
「うん。なんかね、あの後すぐ私の制服やらなんやらを担任の先生が見つけちゃったらしくて。」
「柳場先生?」
「うん。なぁんかあの先生“金八先生”なみのお涙ちょうだいなお説教ながながとしてくれちゃって。」
「熱血漢だからな…」
「完全に“可哀想な被害者”札付けられちゃって。もうみんなあんな説教聞きたくないもん。何もしてこないよ。」
「………そっか…。」
「あ、疑ってる!」
「え!いやいや!」
「人がせっかく本当の事…」
「いや、疑ってるんじゃなくて…なんか…俺さ、鈍いから、雅彦みたいにすぐにピンチに気付いてやれないし…。お前辛くても平気な素振りするじゃん。」
「雅彦は特別だよ。」
「……一応彼氏の前でそういう事平気で言うなよ。」
「…そういう意味じゃなくて。」
「どういう意味?」
「ぅ~ん……………………ぁ、高校生2枚。」
「…………。」
並んでチケットを買って、ようやく中に入った。
現実感のない、夢の街が視界いっぱいに広がる。
ただそれだけで人々は皆笑顔だ。
「で、どういう意味?」
「…雅彦とはね、兄妹のようなもんなんだよ。」
「…幼馴染みなの?」
「うん。」
「確かになんかそんな感じするわ…」
「ちなみに言うと、健人もだよ。」
真帆は微妙な半笑いをしてイタズラな目で大介を見た。
「まじかよ…」
大介は、あからさまに毛嫌いな顔をした。
期待通りの反応に真帆は大笑いをした。
2人はその後休む事もなく色々なアトラクションを周った。
大介に相対して真帆の顔に疲れの色など一切見えず、本当に、心からの笑顔で笑っている。
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