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一人になりたかった
でも、独りにはなりたくなくて
僕は雨の中、人混みの中に駆け込んだ
五月蝿かった
全て壊して音を払ってしまいたかった
でも、静寂は寂しくて
光は嫌いだけど
闇は怖くてたまらなくて
たくさんの矛盾を頭の中に抱えながら
僕は人混みの中へ駆け込んだ
∞
「ーッ!」
バシャッ
躓き、小さな水溜まりに、飛び込むように転んだ
転んだ僕を見て、そばを歩いてた人逹の【声】が頭の中に入ってくる
僕は惨めな気持ちなって、そのまま立ち去ればいいものを、さらにこの気持ちを強調するかのように大きな声を発した
「五月蝿い!!!見てんじゃねえよ!」
慣れない、汚い言葉を使ったせいか、余計に惨めになった
そのせいで、見ていた人逹の【声】も酷く、醜いものになっていた
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